iCLAからオックスフォード大学への派遣プログラムに合格したSao Khue Phan Xuanさんにインタビュー

最終更新: 2月25日


「自分の声を聞き、自分を愛することを大切にしたい」


iCLAで学び、狭き門をくぐり抜けオックスフォードへの道を拓いたSao Khue Phan Xuanさんにその経緯や山梨での日々、思い描くライフプランをインタビューした。iCLAとは山梨学院大学リベラルアーツ学部の通称であり、世界で活躍する人材育成を目指し、最新鋭のリベラルアーツ教育を実践するしている学部だ。オックスフォード大学はさまざまな世界大学ランキングで常にトップレベルの優秀な大学として評価されている、世界有数の名門大学である。ハーバード、ケンブリッジ、スタンフォードといった名門校と並び称され、英語圏では最も古い歴史を持つオックスフォード大学は、世界中から年間40名の学生を募る派遣プログラムを実施しており、現役生としてiCLAから初めてSao Khue Phan Xuanさんが合格した。



興味のあるいろいろな分野を横断的に学べるのはiCLAの大きな特徴


―Sao Khue Phan Xuan(以下:クエ)さんがiCLAで学びたいと思った理由はなんでしょうか?


クエ:奨学金のチャンスがあったことと、日本に来ていろいろな経験ができるということです。いちばん自由に自分らしく学ぶことができるのではないかと考えました。両親とも相談して決めました。


―実際にクエさんが日本を訪れ、iCLAにやってきて2年になりますがどんなことを日常で感じますか?


クエ:山梨ならではの良さや自然の豊かさを感じながら学ぶことができ、充実しています。山梨に住んで2年経ちますが、日々新しい発見があって、自分で何かを探す楽しみもあります。去年は富士山に登りました。すごく良かったので今年も登りたいと思っています。


―では、クエさんがiCLAで学んでいることで特に力を入れていることはなんでしょうか?


クエ:特定の分野にとらわれずに幅広い分野を勉強しています。なかでも経済、政治、社会学の分野です。あとは音楽や絵画などアート系の授業を多く取っています。興味のあるいろいろな分野を横断的に学べるのはiCLAの大きな特徴です。



iCLAから「クエさんの個性を活かして、受けてみないか」と言われた


―クエさんは、今回イギリスのオックスフォード大学の派遣プログラムで留学することが決まっていますが、これにはどんな理由があったのでしょうか。


クエ:世界的に評価の高い大学に行けるチャンスがあるなら行きたいという思いはありました。オックスフォード大学の派遣プログラムは年間で世界中から40名の募集という狭き門です。チャレンジですが、やらなくてする後悔よりもやってから後悔する方がいいと考えています。0.1%でも可能性があるなら受けてみたいと思いました。


―晴れてオックスフォード大学に行くことになりましたが、決め手やほかの大学の選択肢はあったんでしょうか?


クエ:友達が後押ししてくれたことが大きかったです。でもオックスフォードはレベルが高いから正直プレッシャーは感じましたね。オックスフォード以外だとベルギーのゲント大学という選択肢もありました。


―オックスフォード大学とゲント大学、両方を受けてどちらかを選ぶということはできるのですか?


クエ:iCLAが協定を結んでいる大学であれば、学内の審査を通れば行くことができます。ゲント大学はiCLAの協定校なのでハードルは下がります。オックスフォードは世界の人たちと競い合って派遣プログラムに合格しなければならないので性質が全然違いますが、両方受けることは可能です。


―では、今回のオックスフォードプログラムへの挑戦はiCLAからの薦めではなく、クエさんご自身で行きたいと思って挑戦したのでしょうか。(学校側の内情もうかがいたいのでインタビューの通訳を担当していただいたiCLA事務室課長、交換留学を担当するマッセイ裕子(以下:マッセイ)さんにも尋ねてみました)


マッセイ:オックスフォードに関しては学長レベルで、iCLAから学生を派遣したいという思惑はありました。ただ、オックスフォードに初めて学生を送ることになるわけですから、やはり優秀な学生にオックスフォードに行ってもらいたいということで学部としては慎重に選びたいというお話を聞いています。クエさんの成績や人間性を見て、彼女なら自信を持って派遣できると学部長が判断し、オックスフォード派遣プログラムについて打診させていただいた経緯があります。


―iCLAの希望とクエさんの希望が合致して実現したんですね。


クエ:iCLAから「クエさんの個性を活かして、受けてみないか」と言われました(笑)


―クエさん自身で、オックスフォードの派遣プログラムを受けると決めて、どのような準備をしましたか?


クエさん:成績も大事なのですが、エッセイを書くことを重視しました。パーソナリティをエッセイとしてアウトプットすることに力を入れましたね。過去にチャレンジして乗り越えたことや、日本での経験が自身にどのような影響を及ぼしているかを書く際、わたしが富士山を見ながらほうじ茶を飲んでいるとき、これからどんな景色を見ながらどんなお茶を飲むのかと、自分の将来に思いを馳せて書きました。日本はお茶がとくに伝統文化として親しまれています。オックスフォードのあるイギリスはイングリッシュティーの文化があります。飲み比べてどちらがおいしいか、とか(笑)


―オックスフォードには1年間在学しますが、実現したいことや目標はありますか?


クエ:もっと勉強したいと思うのはフランス語です。高校でも2年間勉強しましたし、これからも継続して勉強したいと思っているからです。



どうやったら自分が人生を楽しめるかを模索し、追求したい


―将来就きたい職業の分野はありますか?


クエ:両親がジャーナリストで世界中を飛び回っていて、幼少期からいろいろなところへ家族で行くことが多かったです。その影響もあり、ジャーナリストの仕事には興味がありますね。カメラが好きなので写真家と記者、両方やってみたいです。フィルムカメラを持っているので自分で撮ったりしています。デジタルカメラも便利ですが、フィルムの写真の風合いが好みなんです。


―クエさんがオックスフォード大学の派遣プログラムから戻ってきて、iCLAを卒業してからの具体的なヴィジョンはありますか?


クエ:新しいことにどんどんチャレンジしていきたい。3~4年くらいはいろいろやってみて、どのようにバランスをとれば、自分にとって完璧な人生が送れるのか考えることが必要かなと思います。たとえば勉強を続けるのがいいのか、仕事してお金を稼ぐのがいいのか。なによりどうやったら自分が人生を楽しめるかを模索し、追求したいです。


―せっかくなのでクエさんについて、もっと知るためにパーソナルな質問もさせていただければと思います。山梨でお気に入りの場所はありますか?


クエ:甲府の寺崎コーヒーです。亮さんのコーヒーはとてもおいしいですし、お気に入りの場所です。


—さきほど、音楽やアートにも興味があり、iCLAで講義を受けていると言っていましたが、クエさんの好きな音楽アーティストを教えてください。


クエ:たくさんいます。ずっと聴いているのはBeatles(ビートルズ)とかEric Clapton(エリック・クラプトン)です。最近のアーティストだとインディーミュージックが好きなので韓国のバンド、HYUKOH(ヒョゴ)が好きですね。日本のアーティストだと3人組のガールズバンドThe Wisely Brothers(ワイズリー・ブラザーズ)が好きです。あとシンガーソングライターの春ねむりとか。とてもいいですよ。


―なるほど。HYUKOHは日本でも人気ですね。世界的にも知名度を広げていて僕もライヴを観たことがあります。すごく幅広く音楽を聴かれていますね。


クエ:もともとピアノを習っていました。なのでクラシックから音楽を学んだのち、インディーミュージックが好きになりました。幅広く音楽を聴きます。オーケストラほど規模が大きくなくさまざまな楽器で構成される音楽が好きですね。あとはジブリのサウンドトラックが好きで、コンサートにも行きました。


―最後にBLUESTAR WEBの読者、同世代のひとたちに向けてメッセージをいただけますか?


クエ:自分に正直に。そして自分の声を聞く。自分を知る。自分のことを理解して、愛することがいちばん大事です。恋に落ちて人を愛するよりも先に、まず自分のことを好きになることが大切だと考えています。わたしは今、19歳です。まだまだこれからの人生、困難もあり悲しいこともあり、楽しいことも嬉しいこともたくさんあると思っています。



クエさんはとてもユーモラスでチャーミングな学生で、すぐに取材スタッフと打ち解けたりと社交性にも長けている。単純な成績だけでは判断できないクエさんのアクティヴな魅力をインタビューから感じ取ることができた。自分が思っていることを素直な言葉で説得力を持って話す力を持ち、自分の人生をフルに楽しむために考え行動する。シンプルではあるけれど、だからこそなかなかできることではない。まずは自分と向き会い、自分の声を聞いて、愛すること。ポジティヴにまっすぐ、自分を肯定するその言葉に背中を押された。iCLAで過ごす時間やオックスフォード大学でクエさんを待つ冒険、また、それ以降の彼女についてはいつか彼女によって書かれたルポルタージュを手に取る日が待ち遠しい。



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